持ち前の運の良さと要領のよさで数々の困難をヌメリヌメリとかいくぐる社会人。このブログを見てくれたすべての人にありがとう☆★コメントを残していただければ幸いです!(パスワードは適当な半角数字でOKです)


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7. ミッドナイト・エクスプレス


2007.8.23 マレーシア4日目


市内を散策しようと宿を出て10分後、男女2人組のマレーシア人に声をかけられた。

2人は、見たところ40歳前後の夫婦に見えた。

僕に声をかけてきたのは、年の離れた従妹が、九州の大学に留学する予定なので、日本について色々な話を聞きたいとのこと。

特に決まった予定があったわけでもないので、快く承諾した。





連れて行ってもらった先は近くにあった某コーヒーチェーン店。

日本の風習や物価の現状について、拙い英語力を駆使して僕なりに伝えた。

色々な話も出来、仲良くなってきた時、男性が直接話を聞かせてやって欲しいと、その従妹に電話を繋いでくれた。

電話の向こうには、最近勉強中というのがよくわかるたどたどしい日本語で、熱心に日本のことについて尋ねてくる女の子。

そのうちに、

「もしお時間があれば、今から1時間後くらいにそちらへ向かって直接お話したいのですが・・・」

と言われ、予定のない僕はこれにも快く承諾した。





この日、僕は日本から持ってきた風邪が完治しておらず、時折咳き込むことがあった。

それを見た女性が、

「喉の痛みなら、マレーシア特性の100%ライムジュースなら一発で治るわよ!うちに来なさい!作ってあげるから。」

と言われ、これに甘えることにした。





従妹との待ち合わせ場所を彼ら夫婦の家に変更してもらい、

途中寄ったジャスコで食材の買い出しをして、夫婦の家へと向かった。

さらには、食べてなかった昼ご飯も作ってくれると言うのだ。

現地の人と出会い、その家に行き、手作りの家庭料理を食べる。

旅人にとっては理想的な出会い・シチュエーションであった。





初めて入ったマレーシアの人々の家は、想像していたよりもキレイで広かった。

物価の高い首都に住んでいることもあって、収入の高い家庭なのであろう。

一緒に住んでいると言う親戚からも歓迎を受け、マレーシア民謡まで披露してくれた。





しばらく楽しい会話を楽しんでいると、台所の方から、

「料理が出来たよ!」

と、女性陣の声。

食卓には、決して豪勢とは言えないが、おいしそうな家庭料理が並んでいた。





悲しい事に、人並み以上に警戒心の強い僕は、睡眠薬が入っている可能性も考え、

みんなが食べるのを確認した後に、同じ物を口にした。

豚肉の炒め物、ミルクフィッシュの揚げ物、フルーツ100%ジュース。

どこの国でも家庭の味というものはおいしいものだなぁと感銘を受け、

変な警戒心を抱いた自分が少々恥ずかしくも思えた。





食事が終わると、マウイさん(この家に連れてきてくれた男性の弟)が、20年カジノのディーラーとして磨いた腕を見せてくれると言う。

カジノのディーラーの腕前というものに興味があったので、見せてもらったのだが、その腕は実に凄いものだった。

主にブラックジャックの方法を見せてもらったのだが、彼はカードを自由に操り、

カードの合計数を"21=ブラックジャック"にしてしまうのだ。

「カジノのディーラーなんて、こうやってカードを操れるのだから、のめり込んじゃダメだよ!」

マカオでカジノ経験のある僕は、こう念を押された。





そんなマウイさんに、1本の電話が入る。

電話を切った彼は、神妙な面持ちで僕に話を持ちかけた。

「ブルネイの大富豪を、2人で一杯食わしてやらないか!」

と。







マウイさんによると、昨夜カジノにブルネイの石油王が来たらしい。

お金は持っているが、ケチで気色の悪いオカマ。

そいつが、マウイさんの計らいで大勝したのにもかかわらず、ほとんどチップをくれなかったらしい。

頭に来たマウイさんが、先ほど見せた腕を生かし、僕と組んでそいつからお金を取り、勝ち分を半々にしようと言うのである。

さらには、昨夜の大勝で気分を良くしたそいつが、今日カジノに来たがっていて、

その前にこの家に来て、マウイさんと一緒に行きたいと言っているらしいのだ。





完全なる罠。

初めの賭け資金、350$はマウイさんが出すと言うが、こんなウマい話が世の中にはあるわけがない。

僕は丁重に断った。





しかし、である。

僕の中では、勝負に勝つその手口を見たいと言う好奇心が勝った。

勝負をするかしないかは別として、彼のさらなる極秘の腕を見せてもらうことにした。





そして特訓が始まった。

僕が勝負に参加するという仮定で、ブラックジャック必勝の手口を彼は教えてくれた。

マウイさんが次に出すカードのサインから、ブルネイの富豪が持っているカードのサインまで、完璧に。




そんな特訓の途中、マレーシアの大学で日本語を教えている先生とやらが現れた。

この人も親戚らしい。

事態はますます妖しさを呈してきた。

そんな僕の不安をよそに、マウイさんの特訓は熱を帯びる。





運命の時がやってきた。

玄関の方から、大富豪がやってきたという連絡が来たのだ。

慌てて周囲の特訓メモなどを隠す。

勝負をしないという意思を告げる間もなく、不可抗力で半ば強制的にブラックジャックをやることになってしまった。

軍資金はマウイさんから出すことと、2,3回勝負をしてやめることを条件に、試合が開始された。





もちろん、僕は買った。

1回目も、そして2回目も。

ラストの意思表示をした3回目の勝負。

連敗した大富豪は、最後の勝負に大金を積み込んできた。

その額およそ600万円。

カードはすでに配られた後である。





彼はよっぽど自信があるのだろう。

それもそのはず、彼のカードの合計は20。

しかし、僕のカードは21(=ブラックジャック)。

配られたカードがめくられる前から僕には勝負がわかっていた。





すると、その大富豪は急に怒り出した。

最後の勝負に、自分の掛け金と同額のお金を相手が示さないからである。

僕にはそんなお金はないので、勝負はできないと言うと、カードは配られているからもう無理だと言う。

とりあえず僕の持っていた5万円を目の前に出させられ、

それでも全然足りないともめる始末。





そのうちに、大富豪に取引相手からの電話が入った。

大富豪はいったん外に出ると言う。

勝負は一時中断。

お互いのカードを密封し、掛け金と共に金庫に封入、その鍵を大富豪が持って外出してしまった。

もちろん、その中には僕の5万円も含まれている。





これはかなりヤバい。

完全に流れの中でハメられた。

最初から気付いていたのだが、いわゆるイカサマ賭博である。





大富豪が出て行った後、マウイさんが再び神妙な面持ちで話を持ちかける。


「僕が友人からお金を借りて何とかするから、それでも足りない分は君のクレジットカードを利用してくれ。勝負はわかっているのだから使っても帰ってくるお金だろう?」

と。



 

もう無理だ。

これ以上は危険すぎる。

というか、金庫の中に僕の5万円があるこの状況がすでに危険である。

どうにかして取り返せないものだろうか・・・。

僕はずっと思っていたその言葉をついに言った。





「お前ら、イカサマ賭博グループだろ?」





必死に否定する一同。

その挙動から、確信に至った。





マウイさんはさらに言う。

「わかった。僕が全額用意しよう。そのためにはたくさんの友人からお金を借りなければならず、少なくとも3時間はかかるだろう。ホテルまで送って行くからそこで待っていてくれ。」

と。





そんな奇案、誰がのるか!

完全にお金だけ巻き上げて逃げるための手段じゃないか!

僕は大人しく話しにのるフリをし、ホテルに行く条件をのむ代わりに全員の連絡先を聞いた。

名前、住所、電話はその場で繋がることも確認して・・・





相手の連絡先を手に入れた僕は言った。

「警察に連絡する!」





それを聞き、ヤツらは言う。

「マレーシア人はいいが、日本人の賭博行為は逮捕されるぞ!」

と。

「それじゃあ、大使館に連絡する!」





ガイドブックを広げて大使館の連絡先を調べるフリをすると、ヤツらはついに諦めたらしい。

全員の連絡先を持ったメモと引き換えに、どこからか持って来たマスターキーで金庫をあけ、5万円をしぶしぶ返してきた。

そして、飛び出すように家を出た。





しかし、家を出たのも束の間、半ば強引に車の中に押し込められた。

これは本当にヤバい。

どこに連れまわされるかわからない。





できる限りの平常心を装い、大人しくホテルに送ってもらうフリをした。

ここは首都:クアラルンプール。

そう時間がかかる前に信号で停まるはずだ。

およそ3分間だったろうが、ひどく長く感じられた。

ついには赤信号で車が停まる。





僕はバイクが来てないことを横目で確認し、一瞬でドアを開け、飛び降りた。

車に乗っている間にも、ガソリン代がないから金を出せだの、

降りる瞬間に腕までつかまれ、ヤツらは決して諦めようとはしなかった。





車を飛び出してから、全力疾走で逃げ続けた。

全力疾走をやめた後も、しばらく心臓の鼓動は止まらなかった。

もちろん、この鼓動は全力しそうによるものだけではない。

冷静を貫き通した反動か。

脳裏をかすめる、途中から覚悟していた刃物や拳銃。

出てこなかったのが不幸中の幸い。

今頃になって、あの時どれほど危険な状況だったか理解したのだろうか・・・





昨日まで楽しかったマレーシアも、最悪の思い出となってしまった。

この国はもう嫌だ。





その夜、僕は夜行列車でマレーシアを出国することを決めた。

"ミッドナイト・エクスプレス"(=深夜特急)。

この言葉は、本来の夜行列車という意味の他にも、

トルコの刑務所に入れられた外国人受刑者たちが使う、脱獄を意味する隠語にもなっている。

イカサマ賭博の被害者である僕が、逃げるように出国するこの様は、

皮肉にも脱獄を意味するミッドナイト・エクスプレスとでも言うべきなのか?

さらに皮肉なことには、こうして初心の目的であったマレー鉄道に、初めて乗ることとなった。
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by mitsuhi-low | 2007-09-28 13:23 | ☆★海外旅行☆★